さかみち

酒を呑んで千鳥足で歩くひねくれた道

空芯菜出汁浸し

空芯菜は中華の街池袋に住んでいた時に初めて出会ったのを覚えている。
ただの青菜炒めのようだったが、しゃくしゃくした歯ごたえの茎と汁の絡む柔らかい葉っぱが私を中毒にした。
鬼の敵かというぐらい大盛りの空芯菜紹興酒で流し込むのが幸せだった。

中華だけではなく和風のお浸しにしても美味しい。というか、定番の小松菜とか他の青菜を超えるお浸しだと私は思う。出汁の中に刻んだ空芯菜を入れて煮る。先に茎を入れ少し煮えたとこで葉っぱを入れる。そんなに沢山煮てしまうと個性が死んでしまうので適当に調整する。ちなみに、私は飛魚の出汁で煮るのが好きだ。

冷酒をぐびぐびっと飲み、空芯菜をつまむ。
しゃくしゃく、そして出汁がじゅっと出る。
そしてまた冷酒をぐびぐびと止まらない。

しかし、中身が大きな空洞な癖して生意気だ。
私も君に似ているはずなのに、君の様にはなれそうにないよ。