さかみち

酒を呑んで千鳥足で歩くひねくれた道

トビウオの酢〆

季節になるとよく市場に顔を出すトビウオ
子供の頃にトビウオとはどんなに凄い魚なのだろうと思ったものだ。
なにせ魚の癖に飛ぶというのだ。
その時に抱いたわくわく感を思い出しつつ、同時に嫉妬心も覚える。
泳げて飛べる。そんなのはずるいだろという具合だ。

トビウオは青魚の性質上足が速い。
買った初日で食べなければ、血合いが臭ったりして次の日に美味しいものではない。
なので、残ったときは酢〆にしてしまう。
身に塩を少し降り、周りがやや白っぽくなるまで酢につける。これが次の日になると身が柔らかく甘くなっていておいしいのだ。
おろした生姜と刻んだネギを添えて醤油をぶっかけて食う。うまい。
下手すると刺身より美味いんじゃないかなんて思ってしまう。

 

泳げて飛べて、そして美味い。嫉妬する私。